固定資産税(償却資産)

償却資産とは

会社や個人で工場や商店を営んでいる方や、農業・漁業等の事業を行っている方が、その事業のために用いることのできる構築物、機械、器具、備品等の有形固定資産を『償却資産』といい、土地や家屋と同様に固定資産税の対象となります。

固定資産税の対象となる償却資産

土地及び家屋以外の有形の固定資産で、現に事業の用に供しているもの及び事業の用に供することができる資産(無形固定資産及び自動車税、軽自動車税の課税客体を除く。)をいい、その減価償却額又は減価償却費が、法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必要な経費に算入される性格のもの(法人税又は所得税が課されない者が所有するものを含みます。)です。

償却資産の評価及び課税

固定資産評価基準に基づき、取得価額を基礎として、取得後の経過年数に応ずる価値の減少(減価)を考慮して評価します。

(1)評価額の計算

表 : 評価額の計算
区分 評価額の計算式
前年中に取得した資産 取得価額×(1-減価率÷2)
前年前に取得した資産 前年度の評価額×(1-減価率)
  • 評価額が取得価額の5%よりも小さくなるときは、取得価額の5%(最低限度額)をその価額とします。償却資産が事業のために使用されている限りは課税の対象となります。
  • 固定資産税における償却資産の減価償却の方法は、原則として定率法です。
  • 取得価額:その資産を取得するために取得時に通常支出すべき金額です。
  • 減価率:原則として耐用年数表(財務省令)に掲げられている耐用年数に応じて減価率が定められています。耐用年数表は下のPDF資料を御確認ください。
※償却資産の評価額を理論帳簿価額が上回る場合に理論帳簿価額を償却資産の価格とする制度については、平成20年度税制改正で廃止されました。

(2)課税標準額の算出

当該年度1月1日現在における資産の評価額の合計が「課税標準額(1,000円未満切捨て)」となります(特例該当資産については、特例率を考慮します)。
※課税標準の特例
地方税法第349条の3及び本法附則第15条に規定する一定の要件を備えた償却資産は、税の軽減を図るため、課税標準額が減額される特例が認められています。

(3)償却資産の計算例

次のような資産を所有している場合
表 : 資産の例
資産の名称 取得年月 取得価額 耐用年数 減価率
パソコン 平成22年4月 300,000円 4年 0.438%
駐車場舗装 平成23年10月 2,500,000円 10年 0.206%

評価は次のようになります。
表 : 平成24年度の例
資産の名称 計算式 評価額
パソコン
  • (初年度)300,000×(1-0.438÷2)=234,300
  • (次の年)234,300×(1-0.438)=131,676
131,676
駐車場塗装 2,500,000×(1-0.206÷2)=2,242,500 2,242,500
評価額合計 パソコンの評価額+駐車場塗装評価額 2,374,176
※決定価格が課税標準額(1,000円未満切捨て)となり、課税標準額に税率(1.4%)を掛けると、税額が求められます。

【計算式】課税標準額 2,374,000(1,000円未満切捨て)×税率 1.4%=税額 33,200円(100円未満切捨て)