○苫前町認知症総合支援事業実施要綱

平成30年3月30日

訓令第6号

(趣旨)

第1条 この要綱は、苫前町地域支援事業実施規則(平成24年苫前町規則第10号)の規定に基づき、本町が実施する認知症総合支援事業(以下「事業」という。)について、必要な事項を定めるものとする。

(認知症初期集中支援チームの配置及び役割)

第2条 認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)は、苫前町地域包括支援センターに配置し、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により、認知症が疑われる人や認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問、観察及び評価、家族支援等の初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。

(支援チームの構成等)

第3条 支援チームは、次に掲げるチーム員をもつて構成し、チーム員は、次の各号に掲げる者のうちから町長が委嘱する。

(1) 次に掲げる要件の全てを満たす者 2人以上

 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士、介護支援専門員又はこれらに準ずる者であり、かつ認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有する者

 認知症ケア又は在宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わつた経験がある者

(2) 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であつて、かつ認知症サポート医研修修了者(以下「認知症サポート医」という。)である者 1人

2 前項第2号の規定にかかわらず、同号に規定する医師の確保が困難な場合は、当分の間、次に掲げる医師を同号に規定する医師とみなすことができる。

(1) 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であつて、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のある者

(2) 認知症サポート医であつて、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有する者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図つている場合に限る。)

3 チーム員は、国が別に定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識や技能を修得するものとする。

4 前項の規定にかかわらず、町長は、やむを得ないと認める場合には、前項に規定する研修を受講したチーム員が当該研修の受講内容を共有することを条件として、当該研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。

(身分)

第4条 チーム員の任期は、1年とし、再任を妨げない。

2 チーム員が欠けた場合における補欠のチーム員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 チーム員は、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第3項第3号に規定する非常勤の嘱託員とする。

(チーム員の役割)

第5条 第3条第1項第1号に規定するチーム員は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察及び評価に基づく初期集中支援を行うためにとして訪問活動等を行う。

2 第3条第1項第2号に規定する認知症サポート医は、他のチーム員を援助し、認知症に関して専門的見識から指導、助言等を行うとともに、必要に応じてチーム員とともに訪問し、相談に応じるものとする。

(支援チームの訪問支援対象者)

第6条 支援チームの訪問支援対象者は、原則として40歳以上で、町内に居住し、在宅で生活しており、かつ、認知症が疑われる人又は認知症の人で、次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 医療サービス若しくは介護サービスを受けていない者又は中断している者で、次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けている者で、認知症の行動及び心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(支援チームの業務)

第7条 支援チームは、次に掲げる業務を行う。

(1) 支援チームに関する普及啓発

地域住民並び関係機関及び団体に対し、支援チームの役割及び機能について広報活動及び協力依頼を行う等、地域の実情に応じた取組を行う。

(2) 認知症初期集中支援の実施

 訪問支援対象者の把握

支援チームが必ず地域包括支援センター経由で訪問支援対象者に関する情報を入手できるように配慮するとともに、チーム員が直接訪問支援対象者に関する情報を知り得た場合においても、地域包括支援センターと情報共有を図る。

 情報収集、観察及び評価

訪問支援対象者のほかあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、訪問支援対象者の現病歴、既往歴及び生活情報等に加え、家族の状況等を情報収集を行う。

 初回訪問時の支援

初回訪問時に、認知症の包括的観察及び評価、基本的な認知症に関する正しい情報提供、専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用効果に関する説明及び訪問支援対象者やその家族の心理的サポートや助言等を行う。

 専門医を含めたチーム員会議の開催

初回訪問後、訪問支援対象者ごとに、観察及び評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容及び支援頻度等を検討するため、専門医も含めたチーム員会議を行う。また、必要に応じて訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、町関係課職員等の参加を依頼する。

 初期集中支援の実施

医療機関への受診が必要な場合の訪問支援対象者への動機付けや、継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援並びに介護サービスの利用等の勧奨及び誘導、認知症の重症度に応じた助言若しくは身体を整えるケア又は生活環境の改善等の支援を行う。

 引継ぎ後のモニタリング

初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、地域包括支援センターの職員や担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引継ぎを行う。また、チーム員会議において引継ぎの2箇月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行う。

(検討委員会の設置)

第8条 町長は、支援チームの設置状況及び活動状況を検討するため、認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下「検討委員会」という。)を設置するとともに、検討委員会が関係機関等と一体的に当該事業を推進していくための合意が得られる場となるよう努める。

2 検討委員会は、医療、保健及び福祉に携わる関係者をもつて構成する。

(認知症地域支援推進員の配置)

第9条 認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)は、苫前町地域包括支援センター運営規則(平成23年苫前町規則第23号)第2条第1項第2号から第4号までに掲げる職種の職員であつて、苫前町地域包括支援センター(以下「センター」という。)に配置された者の中からセンター長が指名する。

(推進員の業務内容)

第10条 推進員の業務内容は、次に掲げるとおりとする。

(1) 認知症の人に対し、状態に応じた適切なサービスが提供されるよう、地域包括支援センター、医療機関、介護サービス事業者及び認知症サポーター等、地域において認知症の人を支援する関係者の連携を図るための取組を行う。

(2) 推進員を中心に地域の実情に応じて、地域における認知症の人とその家族を支援する相談支援又は支援体制を構築するための取組を行う。

(3) 前2号に掲げるもののほか、必要に応じて、次に掲げる事業の実施に関するに関する企画及び調整を行う。

 病院や介護保険施設等で、認知症対応力向上を図るための支援事業

病院、介護保険施設等の職員の認知症への理解を深め、対応力を高めるために、専門医等が処遇困難事例に対して事例検討を行い、個別支援を実施すること。

 地域密着型サービス事業所及び介護保険施設等での在宅生活継続のための相談及び支援事業

認知症の人等が可能な限り住み慣れた地域で生活を続けていくために、認知症対応型共同介護事業所、特別養護老人ホーム等が相談員を配置し、当該事業所が有する知識、経験及び人材を活用し、在宅で生活する認知症の人及びその家族に対して効果的な介護方法等の専門的相談支援を行うこと。

 認知症の人の家族に対する支援事業

町長又は町が適当と認める者が、認知症の人及びその家族を支えるつながりを支援し、認知症の人の家族の介護負担の軽減等を図ること。

 認知症ケアに携わる多業種協働のための研修事業

医療及び介護が生活支援の一部である事を十分に意識し、医療、介護等が相互の役割及び機能を理解しながら、統合的なケアにつなげていくため、認知症ケアにおける多職種協働の重要性等を習得する多職種協働研修を実施すること。

(嘱託医)

第11条 町長は、医療と介護の連携を図るため、第3条第1項第2号に規定する認知症サポート医を苫前町地域包括支援センターに配置することができる。

2 嘱託医の役割は、次に掲げるとおりとする。

(1) 推進員等からの相談に対する医療的見地からの助言

(2) 認知症の人を専門医療機関につなぐための関係機関との調整

(3) 地域において認知症の人への支援を行う関係者の会議への出席と助言

(秘密保持等)

第12条 チーム員、推進員及び受託者は、利用者及び利用者の世帯の個人情報やプライバシーの尊重及び保護に万全を期すものとし、正当な理由がなくその業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(雑則)

第13条 この要綱に定めるもののほか、この要綱を実施するため必要な事項は、その都度町長が定める。

(施行期日)

1 この訓令は、平成30年4月1日から施行する。

(苫前町認知症地域支援推進員設置要綱の廃止)

2 苫前町認知症地域支援推進員設置要綱(平成28年苫前町訓令第6号)は、廃止する。

苫前町認知症総合支援事業実施要綱

平成30年3月30日 訓令第6号

(平成30年4月1日施行)