(目的)

第1条　この基準は、地方自治法(以下「法」という。)の規定に基づいて監査委員が行う監査等の実施に関し、必要な事項を定めるとともに、議会及び町長若しくは関係する行政委員会等(以下「町長等」という。)との関係を明確にすることを目的とする。

(基本方針)

第2条　監査委員は、公正で合理的かつ能率的な町の行政運営確保のため、違法、不当の指摘にとどまらず、指導に重点を置いて監査等を実施し、もつて町行財政の適法性、効率性及び妥当性の保障を目指すものとする。

(監査委員の使命)

第3条　監査委員は、法令により定められた権限に基づいて、町の財務に関する事務の執行及び町の経営に係る事業の管理又は町の事務若しくは法定受託事務の執行(以下「事務事業の執行」という。)について監査等を実施し、その結果に関する報告を決定し、これを議会及び町長等に提出し、公表及び通知することなどにより、民主的かつ効率的な行財政の執行を確保することによつて住民の福祉の増進と地方自治の本旨の実現に寄与しなければならない。

(監査委員の責務)

第4条　監査委員は、町の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有し、その職務を遂行するに当たつては、常に公正不偏の態度を保持して、監査等を実施しなければならない。

(事務補助職員心得)

第5条　事務補助職員は、職務の遂行に当たつては、特に、次の各号に掲げる事項に留意しなければならない。

(実施の基本方針)

第6条　監査等の実施に当たつては、事務事業の執行が法令及び議決並びに予算等に基づいて行われているかに留意し、積極的かつ指導的に実施しなければならない。

(計画的な監査等の実施)

第7条　監査等を効率的かつ効果的に実施するため、年間監査計画を策定するとともに、適切な実施計画を作成し、これに基づいて秩序整然と、適時に実施しなければならない。

(監査等の調整)

第8条　監査等の計画の策定及び実施等に当たつては、個々の監査等に有機的な関連を持たせ、総合して成果が上がるように調整運用しなければならない。

(監査等の実施手続の適用基準)

第9条　監査等の実施手続の適用は、監査等の種類、対象、目的、管理点検体制及び内部監査(内部考査)の信頼性の程度を勘案して、試査又は精査による。試査による場合はその範囲を合理的に決定しなければならない。

(合理的証拠確保の基準)

第10条　監査委員は、監査項目の重要性、相対的危険性その他の諸要素を十分考慮して、合理的な証拠を入手するまで監査等を実施しなければならない。

(報告・意見書の提出)

第11条　監査委員は、監査等を終了したときは、公正不偏な態度をもつて報告書、意見書(以下「報告書等」という。)を決定し、速やかに提出及び公表の手続をとらなければならない。

(報告書等の作成)

第12条　報告書等には、監査委員の責任の範囲を明確にするために必要な項目を記載するものとする。

(報告書等の提出等以前の周知の禁止)

第13条　監査等の結果は、原則として、報告書等の提出等以前に、町長等の関係者以外の者に知らせてはならない。

(監査)

第14条　監査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。

(検査)

第15条　検査は、例月現金出納検査(法第235条の2第1項の規定による検査)とし、会計管理者の保管する現金(歳計現金、歳入歳出外現金、一時借入金、基金に属する現金及び預り金を含む。以下同じ。)の在高及び出納関係諸表等の計数の正確性を検証するとともに、現金の出納事務が適正に行われているかどうかを主眼として実施するものとする。

(審査)

第16条　審査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。

(報告の徴取)

第17条　監査委員は、地方自治法施行令第168条の4第3項の規定により、指定金融機関等に対する検査の結果について、会計管理者に対して報告を求めることができる。

(監査計画の作成)

第18条　年間監査計画は、次の各号に掲げる事項について定めるものとする。

(事前通知)

第19条　監査等を実施するに当たつては、特別の場合を除き、町長等に対し、監査等の種類、期日、場所等をあらかじめ通知するものとする。

(資料要求等)

第20条　監査等を実施するに当たつては、あらかじめ項目及び様式を定めて監査等に必要な資料を提出させ、必要に応じて事務事業の概況について説明を求めるものとする。

(事前研究)

第21条　監査等を実施するに当たつては、対象となる事務等についてあらかじめ関連法規等の調査研究を行い、基礎知識をかん養するものとする。

(監査等の着眼点)

第22条　第18条第2項の規定に基づく実施計画において定める監査等の着眼点は監査委員が協議し、別に定めるものとする。

(監査等の実施手続の選択適用)

第23条　監査等は、契約書、関係諸帳簿、証拠書類等に基づき第1号に定めるもののうちから通常実施すべき監査等の実施手続きを可能な限り選択適用し、必要に応じて第2号に定めるその他の監査等の実施手続を選択適用して実施するものとする。

(監査等の実施手続の適用)

第24条　第14条第1号から第5号まで、第15条及び第16条に掲げる監査等における監査等の実施手続の適用は、原則として試査による。ただし、試査によつて異常を発見した場合には、当該事項については範囲を拡大して手続きを実施し、必要と認めるときは精査によるものとする。

(監査等の講評)

第25条　監査等に基づく監査対象課等の長に対する講評は、監査等の結果に関する報告の決定の前に行い、これに対する弁明又は意見を聴取するものとする。

(報告書の提出及び公表)

第26条　監査又は検査を終了したときは、結果に関する報告を次の各号により提出及び公表しなければならない。

(意見書の提出)

第27条　決算審査等及び基金の運用状況審査を終了したときは、審査意見書を町長に提出しなければならない。

(勧告)

第28条　住民監査請求に基づく監査の結果、請求に理由があると認めるときは、議会又は町長等に期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告しなければならない。

(報告等の決定)

第29条　報告等の決定のうち、次の各号に掲げるものは、監査委員の合議によるものとする。

(報告等の公表)

第30条　報告等のうち、第14条第1号から第4号まで、第6号、第7号、第9号及び第10号に定める監査については、速やかに公表しなければならない。この場合において、公表の方法は、苫前町の広報紙を利用するなど広く住民に周知することができる方法によるものとする。

(報告書等の記載事項)

第31条　監査報告書、検査報告書及び審査意見書には、おおむね次の各号に掲げる事項を簡潔明瞭に記載するものとする。

(監査等の結果報告後の処理)

第32条　監査等の結果、指摘した事項又は表明した意見については町長等から、注意した事項及び検討を求めた事項については課長等から適宜措置状況の報告を求めるものとする。

(その他)

第33条　この基準に定めるもののほか、監査等の実施に関し必要な事項は、監査委員の協議により、別に定める。