○苫前町普通河川管理条例

平成12年3月17日

条例第27号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉の増進を図るため、苫前町の区域内に存する普通河川における災害の防止、河川の適正な利用、流水の正常な機能の維持及び河川環境の整備と保全のための適正な管理を行うことを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 普通河川 河川法(昭和39年法律第167号)の適用又は準用されない公共の水流及び水面をいい、河川敷地及び河川管理施設を含むものとする。ただし、他の管理者が管理するものを除く。

(2) 普通河川管理者 この条例の規定に基づき、普通河川の管理を行う町長をいう。

(3) 河川敷地 苫前町が所有する土地のうち普通河川の用に供するものとした土地をいう。

(4) 河川管理施設 堤防、護岸、水門、せき、床止その他普通河川の流水によつて生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、若しくは軽減する効用を有する施設をいう。ただし、普通河川管理者以外の者が設置した施設については、当該施設を河川管理施設とすることについて、普通河川管理者が権限に基づき当該施設を管理する者の同意を得たものに限る。

(5) 河川工事 普通河川の流水によつて生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、若しくは軽減するために普通河川について行う工事をいう。

(6) 汚水 生活又は事業(耕作及び養魚の事業を除く。)に起因し、又は付随する廃水をいう。

(境界に係る普通河川管理の特例)

第3条 町長は、普通河川の2以上の町の境界に係る部分については、関係町長と協議して、別に管理の方法を定めることができる。

2 前項の規定による協議に基づき、町長が他の町の区域内に存する部分について管理を行う場合においては、町長は、当該他の町長に代わつてその権限を行い、他の町長が苫前町の区域内に存する部分について管理を行う場合においては、当該他の町長は、町長に代わつてその権限を行うものとする。

第2章 普通河川の管理

(河川管理施設の構造等の基準)

第4条 河川管理施設又は第8条第3号の許可を受けて設置される工作物の構造について河川管理上必要とされる技術的基準は、別に定める。

(普通河川管理者以外の者の施行する河川工事等)

第5条 普通河川管理者以外の者は、あらかじめ、普通河川管理者の承認を受けて、河川工事又は普通河川の維持を行うことができる。ただし、草刈り、軽易な障害物の処分その他これらに類する小規模な維持については、普通河川管理者の承認を受けることを要しない。

(工事原因者による河川工事)

第6条 普通河川管理者は、普通河川を損傷した行為又は普通河川の現状を変更する必要を生じさせた行為によつて必要を生じた河川工事又は普通河川の維持を、当該行為を行つた者に施行させることができる。

(禁止行為)

第7条 何人も、普通河川において、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 普通河川を損傷すること

(2) 普通河川に、土石(砂を含む。以下同じ。)又はごみ、ふん尿、鳥獣の死体その他の汚物若しくは廃物を捨てること

(3) 前2号のほか、普通河川管理上有害な行為

(許可を要する行為)

第8条 普通河川において次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、普通河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、普通河川管理者が指定した行為を除く。

(1) 普通河川の流水を占用すること

(2) 河川敷地を占用すること

(3) 普通河川において、工作物を新築し、改築し、又は除却すること

(4) 河川敷地において、土石その他の産出物を採取すること

(5) 普通河川において、草木を栽植すること

(6) 普通河川において、土地の掘削、盛土又は切土その他土地の形状を変更すること

(7) 普通河川において、土、汚物、染料その他の河川の流水を汚濁するおそれのあるものが付着した物件を洗浄すること

(8) 前各号のほか、普通河川に影響を及ぼすおそれのある行為(他の法律等による許可等を受けた行為を除く。)

(汚水の排出)

第9条 普通河川に1日につき50立方メートル以上の汚水を排出しようとする者は、あらかじめ普通河川管理者に届け出なければならない。ただし、当該汚水の排出又は汚水の排出に係る事業若しくは施設について他の法令等の認可等の処分を受け、又は届出をしているときはこの限りでない。

2 前項本文の規定による届出をした者は、その届出に係る事項を変更したとき又は汚水の排出を廃止したときは、遅滞なくその旨を普通河川管理者に届け出なければならない。

3 普通河川管理者は、異常な渇水等により普通河川の汚濁が著しく進行し、普通河川の管理に重大な支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、普通河川に汚水を排出する者に対し、排出する汚水の量を減ずること、汚水の排出を一時停止することその他必要な措置をとるべきことを求めることができる。

(権利譲渡の承認)

第10条 第8条第1号第2号又は第4号の許可に基づく権利は、あらかじめ、普通河川管理者の承認を受けなければ譲渡することができない。

(地位の承継の届出)

第11条 相続人、合併により設立される法人その他の者で第5条による河川工事の施行を承認されたもの、第6条により河川工事の施行を命じられたもの又は第8条による許可を受けたものの一般承継人は、被承継人が有していたこれらの規定による承認、命令又は許可に基づく地位を承継する。

2 前項の規定により地位を承継した者は、その承継の日から30日以内に、普通河川管理者に届け出なければならない。

(原状回復命令等)

第12条 この条例の規定による許可又は承認を受けた者は、その行為を廃止したときは、速やかに、その旨を普通河川管理者に届け出なければならない。

2 普通河川管理者は、前項の届出があつた場合において普通河川管理上必要があると認めるときは、当該許可に係る工作物を除却し、普通河川を原状に回復し、その他必要な措置をとることを命ずることができる。

(許可等の条件)

第13条 普通河川管理者は、この条例の規定による許可又は承認について、適正な普通河川管理の確保のため必要最小限度において、かつ許可又は承認を受けた者に不当な義務を課すこととならない範囲において、条件を付することができる。

第3章 監督

(立入検査等)

第14条 普通河川管理者は、この条例を施行するため必要がある場合においては、この条例に基づく許可又は承認を受けた者から普通河川管理上必要な報告を徴し、又はこの条例による権限を行うため必要な限度において、その職員に当該許可若しくは承認に係る工事その他の行為に係る場所若しくは当該許可若しくは承認を受けた者の事務所若しくは事業所に立ち入り、工事その他の行為の状況又は工作物、帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。

2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のため認められたものと解してはならない。

(監督処分)

第15条 普通河川管理者は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、この条例の規定によつて与えた許可若しくは承認を取り消し、変更し、その効力を停止し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の中止、工作物の改築若しくは除却、工事その他の行為若しくは工作物により生じた若しくは生ずべき損害を除去し、若しくは予防するために必要な施設の設置その他の措置をとること若しくは普通河川を原状に回復することを命ずることができる。

(1) この条例の規定又はその規定に基づく処分に違反した者

(2) この条例の規定による許可又は承認に付した条件に違反している者

(3) 詐欺その他不正な手段により、この条例による許可又は承認を受けた者

2 普通河川管理者は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、この条例の規定による許可又は承認を受けた者に対し、前項に規定する処分をすることができる。

(1) 許可又は承認に係る工事その他の行為につき、又はこれらに係る事業を営むにつき、他の法令の規定による行政庁の許可又は認可その他の処分を受けることを必要とする場合において、これらの処分を受けることができなかつたとき、又はこれらの処分が取り消され、若しくは効力を失つたとき

(2) 許可又は承認に係る工事その他の行為又はこれらに係る事業の全部又は一部の廃止があつたとき

(3) 自然現象により普通河川の状況が変化し、許可又は承認に係る工事その他の行為が普通河川管理上著しい支障を生ずることとなつたとき

(4) 河川工事のため止むを得ない必要があるとき

(5) 前各号に掲げる場合のほか、公益上止むを得ない必要があるとき

(監督処分に伴う損失の補償)

第16条 普通河川管理者は、前条第2項第4号又は第5号に掲げる処分により損失を受けた者があるときは、その者に対して通常生ずべき損失を補償しなければならない。

2 前項の規定による損失の補償については、普通河川管理者と損失を受けた者とが協議しなければならない。

3 普通河川管理者は、第1項の規定により普通河川管理者が補償すべき損失が、前条第2項第5号に該当するものとして同項の規定による処分があつたことによるものである場合においては、当該損失に係る補償金を当該理由を生じさせた者に負担させることができる。

第4章 普通河川に関する費用

(普通河川の管理に関する費用の負担原則)

第17条 普通河川の管理に関する費用は、この条例及び他の法律に特別の定めがある場合を除き、町の負担とする。

(境界に係る普通河川の管理に要する費用の特例)

第18条 町長は、普通河川の2以上の町の境界に係る部分について第3条第1項の規定に基づき関係町長と協議して別に管理の方法を定めた場合においては、当該普通河川の管理に要する費用について、関係市町村長と協議して、その分担すべき金額及び分担の方法を定めることができる。

(原因者の費用負担)

第19条 第5条第6条及び第12条の規定により普通河川管理者以外の者が行う河川工事又は普通河川の維持に関する費用は、当該河川工事又は普通河川の維持を行う者が負担しなければならない。

(義務の履行のために要する費用)

第20条 第15条第1項の規定により工作物の改築若しくは除却、工事その他の行為若しくは工作物により生じた若しくは生ずべき損害を除去し、若しくは予防するために必要な施設の設置その他の措置をとること若しくは普通河川を原状に回復することを命じられた者は、その費用を負担しなければならない。

(占用料等)

第21条 町長は、第8条第1号第2号及び第4号の規定による許可を受けた者から別表に掲げる流水占用料、土地占用料又は土石採取料その他の河川産出物採取料(以下「占用料等」という。)を徴収することができる。ただし、国、道又は市町村等が収益を目的としない事業のためにする場合を除く。

2 前項ただし書のほか、町長が特別の事由があると認めるときは、占用料等を減免することができる。

第5章 罰則

(罰則)

第22条 次の各号のいずれかに該当する者には、5万円以下の過料に科する。

(1) 第7条第1号第2号の禁止行為を行つた者

(2) 第8条第1号第3号第5号第6号第7号第8号の行為をした者

(3) 第9条第1項又は第2項の規定に違反した者又は虚偽の届出をした者

(4) 第11条第2項の届出をしない者、又は虚偽の届出をした者

(5) 第14条第1項の規定に違反して、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし又同項の規定による検査を拒み、若しくは妨げた者

2 前項の過料の額は、情状により町長が定める。

第6章 雑則

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

2 この条例の施行の際、現に北海道普通河川及び堤防敷地条例(昭和24年北海道条例第51号)の規定に基づき、この条例の規定による許可又は承認を要する河川工事その他の行為を行つている者又は工作物を設置している者は、従前と同様の条件により、この条例の規定による許可又は承認を受けたものとみなす。

3 前項の規定により、この条例の規定による許可を受けたものとみなされた者は、この条例の施行の日から6月以内に、普通河川管理者が別に定めるところにより、必要事項を普通河川管理者に届け出なければならない。ただし、北海道から許可の引継ぎのあつたものを除く。

4 苫前町普通河川及び堤防敷地使用料徴収条例(昭和24年苫前町条例第23号)は、廃止する。

5 普通河川管理者は、普通河川の用に供されている国土交通大臣の所管に属する土地(その土地の定着物を含む。)について、国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号)第5条第1項第5号の規定により譲与を受ける前においても、この条例の規定に基づき、当該土地を管理するものとする。

(平成12年条例第38号)

この条例は、平成13年1月6日から施行する。

(平成20年条例第26号)

この条例は、平成21年4月1日から施行する。

別表(第21条関係)

1 流水占用料(年額)

番号

区分

単位

期間

単価

摘要

1

鉄工業用水

毎秒0.1立方メートル

1年間又は1使用期間

342,000円

鉄工業経営に必要な用水(汽かん冷却用水を除く。)

2

汽かん冷却用水

64,000円

 

3

農産物加工用水

32,000円

農業者が自家生産物を直接加工するために必要な用水に限る。

4

魚族養殖用水

95,000円

 

5

鉱泉用水

1口

1年間

類似の土地の価格(地方税法(昭和25年法律第226号)第349条に規定する固定資産課税台帳に登録された価格をいう。以下同じ。)に100分の5を乗じて得た額

土地占用料を徴収しない場合に限る。

6

その他の用水

毎秒0.1立方メートル

1年間又は1使用期間

64,000円

 

備考

1 1件が0.01立方メートル未満のものである場合は、0.01立方メートルとして計算する。

2 期間の欄中「1使用期間」とは毎年度における水利使用に係る操業期間をいう。

2 土地占用料(年額)

番号

区分

単位

単価及び算出方法

摘要

1

鉱泉地

一口

類似の土地の価格に100分の5を乗じて得た額

 

2

工作物の伴う敷地

1平方メートル

近傍類似の土地の1平方メートル当たりの価格(以下「近傍価格」という。)に100分の5を乗じて得た額(その額が20円に満たない場合にあつては、20円)

 

3

工作物の伴わない敷地

近傍価格に100分の3を乗じて得た額(その額が10円に満たない場合にあつては、10円)

 

4

農耕用敷地

近傍類似の土地の1平方メートル当たりの小作料の標準額(農地法(昭和27年法律第229号)第24条の2第1項の規定に基づき町農業委員会が定めた小作料の標準額(その定めがないときは、類似の町農業委員会が定めた小作料の標準額)をいう。以下同じ。)に100分の50を乗じて得た額

 

5

採草及び放牧用敷地

近傍の畑の用に供している土地の1平方メートル当たりの小作料の標準額に100分の30を乗じて得た額

 

6

鉄道及び軌道敷地

70円

 

7

漁業及び養殖用水面

15円

 

8

けい船その他に係る水面

25円

 

9

管の埋設

1メートル

25円

 

10

電柱

1本

620円

単位は、H柱にあつては2本分とし、支線及び支柱にあつては2分の1本とする。

11

鉄塔

1基

1,250円

 

備考

1 1件が1平方メートル又は1メートル未満のものである場合は、1平方メートル又は1メートルとして計算する。

2 単価を算出するに当たつては、近傍価格が前年度の当該占用に係る土地占用料の算定に用いた近傍価格に1.1を乗じて得た額(以下「調整近傍価格」という。)を越える場合には、当該調整近傍価格を近傍価格とする。

3 土石採取料その他の河川産出物採取料

番号

区分

単位

単価

摘要

1

土砂

1立方メートル

130円

 

2

160円

 

3

切込砂利

160円

 

4

砂利

160円

栗石を含む。

5

玉石

210円

 

6

転石

890円

 

7

竹木

木杭

1束

100円

胴径30センチメートルで元口径4センチメートル以内、長さ1.2メートルのものを標準とする。

8

粗朶

60円

胴径30センチメートルで長さ3.5メートルのものを標準とする。

9

帯梢

同 (25本)

100円

1本につき元口径3センチメートル、長さ3.5メートルのものを標準とする。

10

その他竹木

1立方メートル

町長が定める額

 

11

埋もれ木

1立方メートル

町長が定める額

 

12

芝草

1立方メートル

50円

 

13

あし、かや、その他雑草

100キログラム

70円

 

14

じゆん菜

町長が定める額

 

苫前町普通河川管理条例

平成12年3月17日 条例第27号

(平成21年4月1日施行)

体系情報
第10編
沿革情報
平成12年3月17日 条例第27号
平成12年12月18日 条例第38号
平成20年12月19日 条例第26号