○苫前町文化財保護条例
昭和55年3月24日
条例第10号
(目的)
第1条 この条例は、苫前町の区域内に所在する文化財のうち、国又は道の指定するものを除き、苫前町(以下「町」という。)にとつて重要なものの保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて町民文化の向上に資することを目的とする。
(1) 有形文化財とは、建造物、絵画、彫刻、工芸品、その他有形の文化的所産で歴史上、又は芸術上価値の高いもの、及び考古資料をいう。
(2) 無形文化財とは、演芸、音楽、工芸技術、その他無形の文化的所産で歴史上、又は芸術上価値の高いものをいう。
(3) 民俗資料とは、衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣及びこれに用いられる衣服、器具、家屋、その他の物件で住民の生活推移の理解のため欠くことのできないものをいう。
(4) 記念物とは、城址、旧宅、その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、峡谷、海浜、山岳、その他の名勝地で芸術上、又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地、及び渡来地を含む)、植物(自生地を含む)で、学術上価値の高いものをいう。
(町民、所有者等の心得)
第3条 文化財の所有者、その他の関係者及び町民は、文化財が貴重な財産であることを自覚し、その保存に努めるとともに、文化的活用に協力しなければならない。
2 苫前町教育委員会(以下「委員会」という。)は、この条例の執行に当つては、関係者の所有権、その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(文化財専門委員会)
第4条 文化財の保存及び活用について、委員会の諮問に答え、又は委員会に意見を具申し、及びこのために必要な調査研究を行うため、苫前町文化財専門委員会(以下「専門委員会」という。)を置く。
2 専門委員会の委員の定数は7名以内とする。
3 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任は妨げない。
4 特別の事由があるときは、任期中であつても委員を解職することができる。
5 委員は、学識経験者の中から委員会が委嘱する。
(指定)
第5条 委員会は、町の区域内に所在する文化財のうち、国又は道が指定したものを除き、町にとつて特に文化的価値が高いと認めるものを所有者及び保持者(以下「所有者等」という。)の同意を得て町の文化財に指定することができる。
2 委員会は、前項の規定により無形文化財の指定を行なおうとするときは、当該無形文化財の所有者等を認定しなければならない。
3 第1項により、指定をするには委員会は、あらかじめ、専門委員会の意見をきかなければならない。
(解除)
第6条 委員会は、前条第1項の規定により町の文化財として指定した文化財(以下「町指定文化財」という。)が文化財的価値を失つた場合、その他特殊の事由があるときは指定を解除することができる。
2 町指定文化財が町の区域内に所在しなくなつたとき、又は国もしくは道の文化財として指定をうけたときは、解除されたものとする。
(指定又は解除の告示)
第7条 委員会は、前2条の指定をし、又は解除したときは、すみやかにその旨を告示しなければならない。
(管理の義務)
第8条 町指定文化財の所有者等は、この条例及びこれに基づく、規則ならびに委員会の指示に従い、その文化財を管理し、適正な保存に努めなければならない。
(所有者等の変更等)
第9条 町指定文化財の所有者等が変更したときは新たな所有者等は、すみやかにその旨を委員会に届け出なければならない。
2 町指定文化財の所有者等が、氏名、名称、又は住所を変更したときは、すみやかにその旨を委員会に届け出なければならない。
3 町指定文化財である無形文化財の所有者等が死亡し、又は所有者等として不適当になつたときは、相続人又は所有者等は、すみやかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損)
第10条 町指定文化財が各号の1に該当するときは、所有者等は、すみやかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(1) その文化財の所在する場所を変更しようとするとき
(2) その文化財の全部又は一部が滅失、き損もしくは亡失したとき
(現状の変更)
第11条 所有者等が町指定文化財の現状を変更しようとするとき、又は所有者等は、その他関係者がその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ委員会の許可をうけなければならない。ただし、修理その他維持の措置をする場合はこの限りでない。
2 委員会は、前項の許可について必要な指示を与え、又は条件を付することができる。
(修理の届け出)
第12条 所有者等は、町指定文化財の修理その他維持の措置をしようとするときは、あらかじめ委員会に届け出なければならない。ただし、前条第1項の規定により許可をうけた場合は、この限りでない。
2 委員会は必要と認めたときは、前項の修理等について必要な指導助言を与えることができる。
(管理保存の勧告等)
第13条 委員会は、町指定文化財の保存のため必要と認めたときは、所有者等に対し、必要な措置を講ずるよう助言、または勧告することができる。
(調査報告等)
第14条 委員会は、必要と認めたときは、所有者等の同意を得て町指定文化財を調査し、又はその管理の現状もしくは修理の状況について報告を求めることができる。
(補助金)
第15条 町指定文化財の保存及び記録作成のため必要と認めたときは、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金の交付をうけた者に対し、その使途について必要な条件を付することができる。
(補助金の返還等)
第16条 補助金をうけた者が、次の各号の1に該当するときは、補助金の全部又は一部を返還させることができる。
(1) この条例、及びこれに基づく規則ならびに委員会の指示に違反したとき
(2) 補助金の交付をうけた目的に反する行為のあつたとき
(公開)
第17条 委員会は、町指定文化財の所有者等に対し、委員会の行なう公開の用に供するため期間を定めて、その文化財を出品し、又は公開するよう勧告することができる。
(損害の補償)
第18条 前条の規定による出品又は公開により、その文化財が滅失、又はき損したときは、町は所有者等に対し通常生ずべき損害を補償する。ただし、所有者等の責に帰すべき事由によるときはこの限りでない。
(補則)
第19条 この条例の施行について必要な事項は委員会が定める。
附則
1 この条例は、公布の日から施行する。